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『ドラゴンクエストヒーローズII』発売記念! 最新作はいかにして正統進化を果たしたのか? 開発陣にロングインタビュー!

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『ドラゴンクエストヒーローズII』発売記念! 最新作はいかにして正統進化を果たしたのか? 開発陣にロングインタビュー!
文・取材:編集部 コンタカオ

●最新作に込められた熱い思いが溢れるインタビュー!
 『ドラゴンクエスト』誕生30周年を迎えた2016年5月27日、ついに発売を迎えたプレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション Vita向けソフト『ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり』。いままさに新たな冒険の舞台を駆け回っているプレイヤーは多いはず。実際に本作を手に取った方なら、前作『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』からわずか1年ちょっとの期間しか置かずに発売されたにも関わらず、その冒険感や操作感、爽快感が進化していることに驚いているだろう。ダッシュの追加のような仔細な部分から、マルチプレイの実装といった大きな新要素など、アクションRPGとしてのこだわりを、本作の随所で感じていると思う。
そこで今回は、本作の開発を手掛けたスクウェア・エニックスの青海亮太プロデューサーと、コーエーテクモゲームスの庄知彦ディレクターのインタビューをお届けする。なぜ、本作はこれほどまでの完成度を持つ作品となれたのか? その道程に迫るロングインタビューをお届けする。

●『DQ』らしい冒険感をテーマにしたところ、結果的に防衛戦が減りました
――前作『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』は高い注目を集めましたが、ユーザーからはどのような反応が?

青海 「もっと冒険をしている感が欲しい」、「もっとフィールドを探索したい」といったいろいろなご意見をたくさんいただきました。『DQ』の軸は、フィールドを移動しながらバトルして、物語を進めていくことにあるので、そういった冒険感を味わいたかったのだと思います。ただ、前作ではアクションRPGとしての『DQ』をしっかりと完成させる目標があり、泣く泣くあきらめた部分もありました。

庄 私は、思いのほか多くの方にアクションRPGとしての『DQ』を受け入れていただけたのがよかったですね。アクションゲームをプレイしていなかったユーザーさんも楽しめたという声をいただいたのはうれしかったです。

――前作の発売後すぐ、ほぼ1ヵ月後に本作の制作が発表されました。

青海 2015年4月1日にロゴを発表したんですよね。(関連記事:【速報】『ドラゴンクエストヒーローズII』、PS4/PS3/PS Vitaで制作決定!?)エイプリルフールだったので、少しざわざわしましたが(笑)。あの時点では正式なサブタイトルも決まっておらず、シナリオの決定もこれからというタイミングでした。もちろん、もっと以前から「つぎはこういうゲームにしよう」という話はしていましたが。

庄 前作の開発が終わるころには次回作を企画して、4月1日の時点では、フィールドの構想など、大まかな部分は決まっていました。

青海 前作では盛り込まなかったフィールド、転職、それにマルチプレイの要素は入れようと。

庄 前作でも発表時からマルチプレイで遊びたいという意見をいただいていましたね。ただ、まずはアクションRPGとしての『DQ』を完成させてからの話と思っていました。前作で最初に作った企画書では「マルチプレイをやりましょう」と書いてはいたのですが……。

青海 企画書のいちばん最後に書いてありましたよね。

庄 マルチプレイをいきなり実装するよりもしっかりと作ることを優先しようと、途中でなったんです。

――前作でアクションRPGとしての『DQ』をユーザーに見せられたと思いますが、いろいろな指摘があったと思います。しかし、本作をプレイして驚いたのが、そういった懸念をすべて回収して解決している点にあります。

庄 そう言っていただけるとうれしいですね。たとえばアイテムを取得する使用で言うと、本作では“拾う”動作をしなくても入手できるようにしたのですが、開発中盤から終盤で、私たちがプレイしていて「簡単に入手できたほうが気持ちいいよね」と、単純に思ったこともあります。ダッシュの追加については実際、前作の開発時で青海さんや開発スタッフから「ダッシュしたい」という声もあった。ただ、前作はタワーディフェンスというか、防衛戦の場面が多く、ダッシュできるとテンポが崩れてゲームバランスが大きく変わってしまうところがあり、止めることにしました。でも、ユーザーさんからの要望もあったし、防衛戦の割合も減ったので、最初からダッシュの追加はやりましょうという感じになりましたね。

青海 前作は防衛戦バトルが7割ほどを占めていましたが、今作は1~2割程度です。

庄 タワーディフェンスについては、前作ではアクションRPGとしての『DQ』を追求したので、今回は『DQ』らしい冒険感をテーマにしたところ、結果的にすごい減った(笑)。減らそうとは意識していなかったんですよ。フィールドを自分で移動して探索する冒険感を重視したら、単純に防衛戦に適した状況が減ったということです。もちろん、ゲームの要所で防衛戦は登場しますよ。

――タワーディフェンスの要素が減ったぶん、モンスターコインの中身も変わりました。

庄 ディフェンスタイプがいなくなり、サポートがディフェンスの代わりになっているのですが、自立して状況を判断してくれるので、前作の防衛戦のようなものであれば、防衛対象を守る行動を取り、防衛対象がいなければいっしょに攻め上がってくれます。前作以上にモンスターコインが戦術的に使えるようになっていると思います。

――モンスターコインでモンスターに“ヘンシン”できるのもユニークですよね。

青海 モンスターを操作できるアイデアは、前作でも出ていたんです。

庄 開発で「モシャスしたい」という話は確かにありました。ただ、モンスターを実際に操作できるようにするのはたいへんだったので、見送ることになったんです。それが、本作の開発でまたチームから「やりたい」という声が上がり、結果としてがんばって実現してくれました。

青海 モンスターコインという要素がすでにあったので、うまく記号化できました。まるまる新しい要素ではなく、モンスターコインの要素に変身できる機能を入れちゃうというアイデアがすごい腑に落ちたんです。

庄 開発スタッフも『DQ』が好きなメンバーが揃っているので、せっかく『DQ』に携われるチャンスなのだから、「やりたいと思ったものはやってしまおう」と思いまして(笑)。

青海 『DQ』本編ではなかなかできないことをやるというのも、このプロジェクトの目的の一部なので、どんどんやっていこうと。

庄 その意味でも、作っていて楽しかった。堀井(雄二氏。『DQ』生みの親)さんも「やっていいよ」と言ってくださったので、けっこう好きにやらせてもらいました(笑)

――モンスターコインで変身したら何ができるのか、見たくなります。

庄 開発スタッフも、すでにモーションやエフェクトを作った状態で「庄さん、これどうですか!」と言ってくるんです(笑)。現場でいろいろと考えて楽しくやれていたので、よかったですね。ちなみに私はスライムが自分で操作できるのがお気に入りです。

青海 弱くてもいいので、絶対にスライムはヘンシンにしてほしいとお願いしました。

――実際はそこまで弱くないですよね。

庄 攻撃力はそんなに高くありませんが、敵の攻撃が当たりにくいし、スライムだからすぐ倒されるということはありませんよ。

●より『DQ』らしいパーティ構成を楽しめるように意識しました
――フィールドを気持ちよく走り回るために最適化されているので、アクションRPG感はすごく増しています。

庄 『DQヒーローズ』がほかのアクションRPGと違うのは、メインのバトルと拠点を簡単に行き来できる点と、フィールドを探索する点がほどよいバランスで融合されているところなのではないでしょうか。

青海 フィールドにいるモンスターをアクションで倒して、次に進むとまた新しいフィールドが出てきて……このくり返しがアクションRPGのイメージですよね。本作は、ステージにバトル専用のエリアとフィールドをバランスよく配置して、探索できる要素もありつつ、アクションゲームとしてステージをクリアーする楽しさもあります。そんな新しいアクションRPGをお見せできたのではないかと思います。

庄 そのバランスはずっと意識していて、最終的には狙い通りにまとまったと思います。

――アクションの手触りだったり、ベースは変わっていないとはいえ、前作から1年でここまでガラリと変わるとは思いませんでした。

庄 前作を遊んでくださった方が覚えていて、前作と共有したほうがいいと思ったところ以外は、ガッツリと作り直しました。

青海 堀井さんがミーティングでお話していたのは、「前作のお客さんが覚えている基本操作はいっさい変えない。続編は、前作を遊んだお客さんがすんなり入れるようにしよう」ということでした。そこで、これを『DQヒーローズ』シリーズの根幹として、そこをぶれずに新たな要素を加える形にしようと決めたんです。

――双剣が登場することになった経緯は?

青海 前作の主人公ふたりは鎧を着た兵士っぽいデザインでしたが、今回は身軽にしようと、盗賊っぽさをイメージしていました。そこから、せっかくなので主人公の男女で武器を変えようという話になり……。

庄 ふたりとも前作と同じ片手剣に盾だと、オーソドックスですが新鮮味がない。新しい選択肢も入れたかったので、堀井さんにも相談して双剣を選びました。

――今回はキャラクターによってより役割が分かれていて、きちんとメンバーを考えないと先に進みにくい場面もありますよね。

庄 より『DQ』らしいパーティ構成を楽しめるよう、意識しました。回復といえば、前作ではゼシカのハッスルダンスでしたが、今回は意識的に回復役を何人か入れて、パーティに複数入れるのか、あるいはひとりも入れないのか、プレイヤーのスタイルに委ねたパーティ編成ができる自由度があります。

青海 戦士系4人で行くのか、ひとり魔法使いや僧侶を入れるのか。パーティを職業で選ぶように、キャラクターを選べると思います。

庄 キャラクターの役割と、役割に見合ったアクションの操作感をデザインしましたから。

――主人公が転職して強くなりすぎると、ほかのメンバーの意味がなくなる危険性もあったと思うんです。でも、バランスを崩さないよう設定されている印象を受けました。

庄 転職によっておいしい面はありますが、キャラクターごとに尖った部分を持たせているので、主人公がすべてにおいて最強とならないようにしています。各キャラクターのバランスは意識しました。マルチプレイでプレイヤー全員がラゼルとテレシアしかいないという図にならないように。

青海 庄さんは相当苦労されていましたね。

庄 少なくとも、私たちがプレイした限りでは大丈夫なはずです! 誰でも楽しめるように、敷居は低いけれど懐の大きいマルチプレイにしたので、多くの方にプレイしていただきたいですね。

――パーティコンボなどもあって、みんなで戦っている感覚はより強くなりましたね。

青海 せっかくなので、いろいろなキャラクターを使ってほしいんです。ひとりに固定せず、つねにキャラクターを変えながら、あれこれ試してもらいたい。なので、戦闘中にバンバンとキャラクターを心地よく切り換えられるように意識しました。

庄 『DQ』でいう「めいれいさせろ」に近い感覚で遊んでもらえたら。それに、キャラクターのレベルを上がりやすいようにしているので、低いレベルでもすぐに追いつけるようになっています。私も青海さんと同じくいろいろなキャラクター、職業、武器で遊んでほしいので、気持ちよく育てて、ストレスなく遊べるように調整しました。

――戦略性という意味で、バランス調整にいちばん時間がかかった要素は?

庄 モンスターの強さですね。今回は自分で攻め上がっていくタイプの戦闘が多いので、敵の強さ次第ではすごくぬるくなり、ゴリ押しで進めてしまうゲームになってしまいがちでした。『DQ』のダンジョンのように、奥へ進むうちにHPやMPがなくなって最後まで到達できないかもしれない。そんな感覚を思わせるように調整するのは苦労しました。本作ではMPが自動回復するので、回復役がいればある程度まで継続できます。それでも、適正レベルで挑んだダンジョンやバトルでしっかりと手応えを感じられるような難度を構築するのは、前作より難しかったかもしれません。

――ゴリ押しでは壁にブチ当たることもありますが、「こんなの無理!」ともなりません。

青海 レベルを上げたり、モンスターコインをうまく使えば突破できるように調整したつもりです。バトルによって使い分けてもいいと思います。「このバトルだったら火力重視でいく」とか、「ちょっと怖そうだからトルネコを入れておこう」とか、状況に応じて使い分けるとおもしろいですよ。

――個人的にはトルネコは外したくありません(笑)。

青海 トルネコは攻撃範囲が広くて、見ていて楽しいですよ。

庄 作っていて楽しいキャラクターでした。トルネコは『DQIV』のファンもいれば、『トルネコの大冒険』が好きだった方もいて、多くのユーザーから愛されているキャラクターなので、それなりに扱いやすく、回復もできるようになっています。とはいえ、ほかのキャラクターもけっこう強いですよ。

――マリベルのブーメランなど、武器の個性は際立っています。

庄 前作で特徴的だった武器はさらに個性を伸ばす方向で差別化したので、そのあたりを実感していただけるとうれしいですね。たとえばアリーナとハッサンは同じ武闘家ですが、アリーナは連打の爽快感を前作以上に際立たせる方向で、ハッサンは一発の大きい大砲型にするというように差別化を図りました。

青海 ハッサンは火力重視でゴリ押しも可能なキャラクターかもしれません。攻撃を食らいながらもガリガリと戦えるタイプです。マリベルはメラゾーマも強力ですし、雪原にいるモンスターは炎系の呪文に弱かったりと、モンスターもいろいろなので、楽しんで戦ってください。

●『DQ』らしいマルチプレイに料理できたと思います
――マルチプレイで多くのユーザーが参加できるよう、いろいろな工夫がありますよね。倒れても応援できるシステムとか……。

庄 気軽にマルチプレイを楽しめるような仕組みを作ったつもりです。『DQX』を参考にしている部分もあって、ユーザーさんがちょっと気軽にお手伝いしてみようとか、1回だけ協力プレイを遊んでみようと思っても大丈夫なように、入り口の部分を工夫しました。世界樹の葉があればすぐに復活できますし、復活できないあいだも応援してほかプレイヤーのテンションを上げる形で参加できます。気軽かつ手短に楽しんでいただけると思います。

青海 マルチプレイに特化したゲームに見えてしまうのは避けたいと思っていました。あくまでひとりでどっぷりと遊べる安心感は崩さずに、プラスアルファでマルチプレイができるくらいにしようと決めました。マルチプレイは疲れるというお客さんもいらっしゃると思うので、定型文とスタンプだけでチャットできたり、簡単にマッチングできるようにしました。誰にでもできるような『DQ』らしいマルチプレイに料理できたのではないかと思います。

庄 青海さんのお話にもあったように、基本はひとりでしっかり遊べるゲームとして作っているので、マルチプレイはプラスの楽しみとして体感してもらって、本当に好きな方々にいっぱい遊んでもらいたいですね。

――巨大なモンスターに皆でワイワイと挑む共闘感を楽しんでもらいたいですね。

庄 そうですね。自分でスキルを組み合わせて、好きな武器を持ち込んで。武器の見た目を変えられるようにしたのも、実装してよかった。前作のスライム武器とか、キャラクターが強くなると使われなくなっちゃうけれど、見た目がかわいいじゃないですか。

青海 武器の見た目はひのきのぼうでも、中身はものすごく強いというのもいいです(笑)。

庄 メダル交換所で、メダル2枚でひのきのぼうを交換できますので、ぜひ。

――マルチプレイでキャラクターの重複は可能ですか?

庄 どのキャラクターでも遊べますよ。スキルもあらかじめセットしたもので出撃できますし、オンライン上で変更するのも可能です。

――前作のキャラクターは“時空の迷宮”に登場しますが、スキルは変えられますか?

庄 おまけの意味合いが強いので、スキルは前作と同じく4つを付けることになります。ただ、アクトとメーアだけは、ひとつだけ前作にはなかったスキルが入っています。音声つきなので、ぜひ使っていただけたら。

青海 ストーリーモードのバトルステージでも、マルチプレイで助けてもらうことができるのは大きいですね。堀井さんからご要望をいただいて実装したもので、最初は入れない予定だったんです。

庄 立ち上げの際にも検討されていたのですが、ひとりで遊ぶ方が多いので需要が少ないかもしれないと、迷いました。

青海 ユーザーさんの中には、ストーリーで挫折しちゃうお客さんがいるかもしれない。そんな方のために、SOSを出して助けてもらえるようなシステムが欲しいと。

庄 「難しくてなかなかクリアーできないときこそ、マルチプレイで助けてほしいよね」と堀井さんがおっしゃられた。開発も終盤に差し掛かっていたので可能かどうか、検討しました。

青海 結果的に、このおかげでアクションが苦手な方もより進めやすくなりましたし、プレイの幅もだいぶ広がったと思います。

庄 ご家族や友人に助けてもらったり、ハードが違う人どうしでも手伝ってもらえるので、がんばってよかった。堀井さんの視点はさすがでした。ほかの人のプレイを見るのも楽しいですし。

――続々と内容が明らかになった無料追加コンテンツも楽しみです。

青海 無料というのは声を大にしてお伝えしたいです。前作もそうでしたが、安心して遊んでいただきたいんです。ボリュームもすごいですよ。まず本編を前作以上のボリュームで作り込んでいるので、前作でクリアーまで20から25時間を要したなら、今回は30時間以上はかかるかと思います。

庄 エンドコンテンツのやり込み要素も、前作より調整して作っていますので、ボリュームも相当あります。さらにアップデート要素がプラスされたら、60時間以上はふつうに遊べるかと。武器やアクセサリーも含めると、やり込み度はかなり高いと思います。

――こだわるのも楽しいですよね。

青海 “時空の迷宮”の地図や武器、キャラクターの成長の方向性など、突き詰めていくのも楽しいと思います。スキルだけでも前作以上にバリエーションが増えているので、お気に入りの組み合わせを見つけてほしいです。

庄 気軽に楽しみたい方は、やり込みを意識しなくとも気持ちよくクリアーできますよ。

青海 まずは、ストーリー本編をガッツリと遊んでいただければと思います。ぐいぐいと引っ張られるような、次が気になるストーリーですので。

●堀井さんから「つぎはもっと映画的にしよう」という話がありました
――ストーリーと言えば、7つの王国という設定はいつごろが固まったのですか?

青海 発表時点では決まっていませんでしたが、徳永(富彦氏。テレビドラマ『相棒』などの脚本家。本作では脚本原案を担当)さんが加わってからはプロットや正式タイトルが決まり、とんとん拍子でした。

庄 フィールドの種類など、ある程度のイメージはあったのですが、7つの王国といった設定は、ピシッと決めることができました。

――詳細はもちろん語れませんが、今回はあっと驚くような展開が待っていたり……。

青海 前作は、アクションゲームでストーリーがアクションの合間に入ってきてもお客さんの頭に入らないから、王道の話でわかりやすさを重視しようと考えていました。前作が終わった後に、堀井さんから「つぎはもっと映画的でサスペンスチックなものにして、ちょっとどんでん返しがあってもいいかもしれないね」とお話があったんです。そこで、堀井さんがご友人の徳永さんと「いっしょにプロットを考えたい」とおっしゃった。

庄 驚きがあるものにしたいという話ですね。

青海 堀井さんは、『DQヒーローズ』シリーズは映画1本ぶん、ドラマのワンシリーズぶんが終わったくらいの満足感がある物語にしたいと考えられていた。ただ、脚本家の方にお願いする場合、正直に言うと「ゲームに応じてシナリオを変えることを許していただけないのではないか」と、心配もしていました。

庄 開発しにくくなることは避けたいなと。でも、ゲーム開発にすごく理解を示していただけて、初めてお会いしたときに「この方ならいっしょにできる」と思いました。

青海 徳永さんは『DQ』も大好きで、『ポートピア連続殺人事件』のころから堀井さんのファンだったそうです。「プロットは書きますが、かみ砕いてゲームに落とし込んでいく際にブラッシュアップして問題ありません」とおっしゃってくださいました。「演出や美術との共同作業という意味では、ゲームもテレビドラマも変わらない。ブラッシュアップして、結果としていい作品になるのなら、(プロットを)変えてもかまいません」と。

庄 開発としては、とてもやりやすかったですね。堀井さんと徳永さんでプロットがすごいスピードで作り上げられましたから。

――それほどのスピードがあったからこそ、この期間で完成されたのでしょう。

庄 プロットが滞ることなく決まったのが、大きいと思います。前作は、主人公のキャラクターや、仲間キャラクターをどうしようとか、ストーリーの面で時間がかかったのですが、今回は勢いよくシナリオ作りを始められました。

青海 プロットをもとにしてコーエーテクモゲームスさんがシナリオを制作し、弊社の成田(篤氏。『DQ』シリーズのシナリオを担当し、『DQヒーローズ』では前作からシナリオディレクターを担当)と堀井さんがチェックしていく流れで進みました。

――先を早く知りたい方も、じっくり進めたい方もとにかく触ってほしいですね。

庄 気軽に楽しんでもらえたらうれしいです。

青海 前作を遊んでない方も、ストーリーはまったく新しくなっています、前作の知識がなくても遊べるようになっていますので、安心してください。

庄 反対のことを言いますと、前作を遊んでいただいた方には特典があったり、アップデートで追加される前作のキャラクターをより攻略しやすかったりすると思います(笑)。

青海 どちらの方もぜひ!


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